第4部(11)ドミニクはロークを平静に迎える

ロークとドミニクは、ゲイル・ワイナンドのペントハウスの客間で対面した。

 

なんて単純なことかしらとドミニクは思う。ロークは、いつでもここにいた。このペントハウスの各部屋で私がしてきたことすべての原動力は、この人だった。この人こそが、私をこのペントハウスに導いた。そして、とうとう、この人は、この場所を支配する権利を主張に来た、とドミニクは思う。

 

ドミニクはロークを見つめる。最後に彼のベッドで目覚めたあの朝に彼を見たときと同じまなざしで、彼を見ている。あの朝の記憶は、生々しくあの時のままドミニクの心に残っている。あの朝の記憶と今の自分の間を隔てるものは何もないと、ドミニクにはわかる。あの朝から今夜にいたる年月も、今ロークの着ているものも、あの朝の記憶と今の私を隔てはしない。

ドミニクは思う。こうなることは最初からわかっていた。コネティカットのあの採石場の岩棚から彼を見おろしたあの瞬間から、こうなるのは必然の成り行きだった。結局、このような状態にならなければならなかったのだ。しかも、ゲイル・ワイナンドの家の中で、だ。

やっと最終的な段階に来た、終わりなのだという感覚、安らかな感覚が、ドミニクの心を満たす。

そう、私があれこれ決定する段階は終わった。今までは、私がいろいろ行動してきた。でも、これからは、この人が行動する。

ドミニクは、まっすぐ立つ。頭をきちんと上げる。彼女の顔には、簡潔といってもいい軍隊的な清潔さと女性らしい繊細さが共存した表情が浮かんでいる。彼女の両の手は脇に静かにたれている。彼女の身につけている黒いドレスの長いまっすぐな線と平行になっている。

「ご機嫌いかがでいらっしゃいますか、ロークさん」

「奥様こそ、お元気でお過ごしでしたか」

「あなたが、私どものために設計してくださった家のことですが、お礼を申し上げます。あなたのお仕事の中でも、一番見事(みごと)で美しい」

「そうならざるをえなかったのです、奥様。ご依頼の件の性質上」

ドミニクはゆっくりとワイナンドの方を振り返る。

「ゲイル、あなたロークさんにどのようにお願いなさったの?」

「君に言ったとおりさ」

ドミニクは、ロークがワイナンドから何を聞き、何を承知したのかと考える。腰を掛けようと彼女が移動するにつれて、男たちも彼女のあとについて移動する。ロークが言う。

「この設計が奥様のお気に召したのでしたら、ご主人のおかげなのです。ご主人が最初にはっきりとしたお考えをお持ちで、僕に説明してくださったから、できたのです」

ドミニクは訊ねる。

「あなたが、ご自分のお仕事の素晴らしさを依頼した客と共有なさいますの」

「ええ、ときにはそういうこともあります」

「それは、私が存じ上げておりますあなたのご職業上の信条とは矛盾するのではありませんか」

「確かにそうですが、僕の個人的信条とは矛盾しません」

「私にはわかりかねますが」

「奥様、僕は葛藤や相克というものを信じております」

「この家を設計なさるにあたって、葛藤が関係していたということでしょうか?」

「顧客に影響されまいとする欲望がありました」

「どのように、でしょうか?」

「今回のご依頼で、僕には予想できました。この家は、ワイナンドさんのために設計されるのだから、こういう形に必然的になるだろうと。僕は、まずこのことを克服しなければならなかったのです。というより、むしろ僕は、必然的にこうなるという成り行きに沿いつつも、抵抗しなければなりませんでした。しかし、最初から予期できたその必然的成り行きに魅(ひ)かれつつ抵抗すること、それこそが最高の仕事の進め方でした。この家は、この家を設計した建築家の思いを超えるものでなければなりませんでした。この家を依頼した客や、将来この家に住むことになる人間の思いを超えるものでなければならなりませんでした。そして、この家はそれを成し遂げました」

「しかし、ハワード、この家は・・・君の作品だろう、やはり。そうは言っても、君の作品だろう」と、ワイナンドは言う。

ドミニクの顔に、この再会が始まってから初めて動揺の表情が浮かぶ。それは静かな衝撃ともいうべき動揺である。ワイナンドは「ハワード」と、ロークのことを呼んだのだから。

ワイナンド自身は、あくまでも無頓着だ。しかし、ロークはそのことを意識せざるをえない。だから彼はドミニクをちらりと見る。 この一瞥(いちべつ)は、この夜、ロークが初めてドミニクに見せるドミニクとロークだけの間に通う個人的行為だった。

ロークのそのまなざしだけからでは、彼の意図はつかめない。しかし、ワイナンドがロークを姓ではなく名で呼んだ行為が、ドミニクに与えた衝撃の大きさをロークは理解していた。

「僕は、それを理解している」とはっきり告げるような視線を、確かにロークはドミニクに向けた。

「ゲイル、僕の気持をわかってくださって感謝します」とロークは答える。

ドミニクには、ロークがワイナンドを姓でなく名で呼んだとき、それを故意に強調したかどうか判断がつかない。

ワイナンドは言う。

「それが不思議なのだ。私は世界でも最悪に独占欲の強い人間だ。人間相手ばかりでなく、事物に対してもそうだ。たとえば、その辺の安物雑貨店で灰皿を買うとする。金を払って、ポケットにつっこんだとする。そうなると、私にとっては、その灰皿は特別な灰皿になる。この世にまたとない灰皿になる。なぜなら、その灰皿は私のものだからだ。その灰皿自身の中に、特別な価値があるということになる。一種の後光のようなものを、その灰皿が帯びることになる。私という男は、私が所有するものすべてに関してそう感じてしまう。私のコートから、植字(しょくじ)室に設置されている一番古ぼけた印刷機から、街で売っている『バナー』から、このペントハウスに、妻にいたるまでね。ハワード、私は、君が私のために建てることになっているこの家が欲しいのと同じほど激しく何かを所有したいと思ったことはない。私は、この家に住むことになるドミニクにさえ嫉妬するだろうなあ。これほどのものには正気ではいられない。しかし、私は、この期(ご)に及んでも、この家を自分が所有することになるとは実感できない。なぜかといえば、それは私がどうこうするとか金(かね)がどうのという問題ではなく、要するにこの家は依然として、やはり君のものだからだ。この家は、いつだって君のものなのだよ、これからもね」

ロークは答える。

「確かにこの家は僕のものでなければならないでしょう。ただし、ある意味においてはですよ、ゲイル。あなたは、僕が建てるこの家と他の全てを所有しておられる。あなたは、今までにあなたが建てることをやめたあらゆる建築物と、あなたご自分の心が応答するのを実感できたあらゆる建築物を所有しておられる」

「どういう意味で?」

「あなたの心が応答したという意味で、ですよ。あなたが心から賛美するある事物があるとします。そのものの存在を前にして、あなたが感じることは、ただ一言で説明がつくはずです。『イエス』、これでいいというたった一言で。これは、肯定のイエスであり、受容のイエスであり、承認のイエスです。そして、このイエスこそ、あるひとつの事物への肯定的答え以上のものです。それは、人生に対する『アーメン』つまり、『かくあらせたまえ』という同意の唱和です。その事物を所持しているこの世界への肯定そのものです。その事物を生み出した思想への肯定そのものです。その事物の価値を見抜くことができるあなた自身への肯定そのものです。『イエス』にせよ、『ノー』にせよ、そう言えるだけの見識や能力というものが、所有権というものの本質です。所有権とは、あなた自身の自我をあなたが持っているということです。こう言う方があなたのお望みならば、それを魂と呼んでもいいでしょう。あなたの魂には、ひとつの基本的な機能というものがあります。事物の価値を判断する行為です。つまり、イエスかノーかを決める行為です。『私はこうしたい』にせよ、『私いやだ』にせよ、どちらか判断する行為です。あなたは、『私』という主語を言わずして、『イエス』にせよ、『ノー』にせよ答えることができない。肯定する人間がいなければ、否定もありえない。この意味で、あなたがあなたの愛を傾けることが妥当だと判断なさった、ありとあらゆることが、あなたのものなのです」

「そうなると、君は他人と物事を共有するということになるね?」

「いいえ。それは共有ではありません。たとえば、僕が好きな交響曲に耳をすますとします。そんなとき、僕に聞こえるものは、その交響曲の作曲者が聞くものとは同じではありません。その作曲家の『イエス』は、僕の『イエス』とは違います。彼は、僕の『イエス』になど関心ないでしょうし、また僕の『イエス』がどういうものなのか正確に考えることだってできません。『イエス』という答えの中身は、それぞれの人間にとって、あまりに個人的なことだからです。自分が望み欲するものを自らに与えるとき、人間は偉大な経験をします。僕がある家を設計するとき、僕はひとりぼっちですよ、ゲイル。僕がその家を所有するやり方を、あなたは決して知ることができません。しかし、あなたがその家に対して、『アーメン』つまり、『かくあらせたまえ』という肯定を与えるとき、それはあなた自身のものであって、他の誰のものでもない。それが、あなた自身のものであるということが、僕は嬉しいのです」

ワイナンドは微笑を浮かべ、答える。

「そう考えるのはいいな。つまり、私はモナドック渓谷保養地を所有し、エンライト・ハウスを所有し、コード・ビルを所有しているというわけだ」

「それからストッダード殿堂も」と、ドミニクが言う。

ドミニクは、ずっとワイナンドとロークの会話に耳をすませていた。彼女は、自分が麻痺でもしてしまったかのような気がしていた。ワイナンドは、自宅で今までこんなふうに客に話しかけたことなどなかった。ロークだって、顧客にこんなふうに話したことなどなかったのに。ワイナンドとロークの間には、ドミニクが入り込めない親密さがあった。互いへの敬意に満ちた親密さが。

ドミニクは意識していた。自分のこの麻痺したような感覚は、怒りや否定や憤(いきどお)りへとすぐに爆発するのではないかと。しかし、今このとき、彼女の感情が爆発することはない。彼女の声の中には、切り口上(こうじょう)の響きがあるだけだった。彼女が耳をすませて聴いていたものを破壊するだけの響きが。

ドミニクは、自分の声の中の響きに効果があったことがわかる。なぜならば、ワイナンドが、ドミニクの言葉に答えて、「そうだな」と言ったものの、その声は重く低いものだったから。

「ゲイル、ストッダード殿堂のことは忘れてください」と、ロークは言う。彼の声には、あっさりとしたのんきな陽気さがある。ストッダード殿堂にま

つわるワイナンドの罪を免除するには、どんな厳かな赦しの言葉よりも、この

ときのロークの陽気な声の響きほどに効き目のあるものはなかった。

「そうだな、ハワード」と、ワイナンドは、また微笑みながら答える。

ドミニクは、ロークのまなざしが自分に向けられるのを見る。

「奥様、僕はまだ奥様にお礼を申し上げておりませんでした。お住まいの設計を担当する建築家として僕を認めてくださり、ありがとうございます。奥様が僕を選んでくださることは僕にはわかっておりました。僕がこの仕事をさせていただくことを、奥様は拒否なさることもできたはずです。奥様が拒否なさらなかったことが、僕には実にありがたいのです。それを奥様に申し上げたかったのです」

ドミニクは思う。私は、この事態を信じる。こんなことは、とうてい信じられないようなことだからこそ信じる。今夜は、ありとあらゆることを私は受け入れなければならない。だから、私はこうやってこの人を見つめているしかない。

ドミニクは礼儀正しい無関心さを装いながら、言う。

「ローク様、あなたが設計なさった家を私が拒否したいと思うなどと、あなたがお考えになったなんて。あなたは私に対してどんな評価をなさっていたのかしら?」

ドミニクは思う。彼女が大声で何を言ったとしても、今夜は何の意味もないだろうと。

ワイナンドが、また質問してくる。

「ハワード、さっきの話の『イエス』のことだが、いったんその肯定が得られたとして、それが撤回(てっかい)されることもあるのだろうか?」

ドミニクは、信じがたいような怒りに襲われ、大声を立てて笑いたくなる。こんな質問をしているのは、あのワイナンドなのだ。ドミニクは思う。そんな質問をするのは、私でなければいけないのに。私こそが、こういう質問をロークにすべきであり、ロークはそれに答えようと私を見つめなければならないのに。ほんとうならば、ロークは、ワイナンドではなく私をこそ見つめなければならないのに。

「撤回されるとか取り消されることなど、ありませんよ」

ロークは、ワイナンドを見つめながら答える。

それに対して、ワイナンドは語る。

「人間の一貫性と、あらゆる情緒を超越することに関して、随分とたくさんの世迷(よまい)言(ごと)が伝われてきたし、今も言われている。しかし、私はいつもこう考えてきた。変化する感情なんてものは最初から存在したことがないのではないかと。十六歳の時に好きだった本があるとするだろう。私は、その頃好きだった本が今でも好きだからな」

そのとき、執事が入ってきた。盆にカクテルを乗せている。自分のグラスを取りながら、ドミニクはロークが盆から自分用のカクテルのグラスを取り上げるのを、じっと見つめる。

ワイナンドはグラスを持って立っている。一種の奇妙な不思議な驚きを感じながら、ワイナンドはロークを見つめている。客をもてなす主人ではなく、自分が獲得した賞賛すべきものを、現に今所有していることが全く信じられない所有者のように。

ドミニクは思う。今、私は気が狂っているのではないわ。私は、ただヒステリックになっているだけ。でも大丈夫。私はちゃんと何かしゃべっているのだから。何をしゃべっているのかは私にもわからない。でも、しゃべっている内容は話してもさしつかえないようなことだわ。大丈夫。ロークもワイナンドも、ちゃんと私の言葉を聴いて答えているもの。ゲイルが微笑んでいる。私は、この場にふさわしいことを、ちゃんとしゃべっているに違いない・・・

執事から晩餐(ばんさん)の用意が整ったと知らされる。ドミニクは、その知らせに応えて立ち上がる。食堂への通路を先にたって進む。条件反射でそういうポーズをとるように訓練された優雅な動物のように。

 

ドミニクは食卓の上座に着く。ロークとワイナンドのふたりの男が向き合い、ドミニクの脇にそれぞれ座るという形である。ドミニクは、ロークの指の間にある銀食器を見つめる。彼女のイニシャルD.W.が刻み込まれた食器を見つめる。よく磨かれた金属の食器である。

ドミニクは思う。こういう役割は、私は何度もやってきた。私はゲイル・ワイナンドの美しき令夫人ですもの。客には上院議員もいたし、裁判官もいたし、保険会社の社長もいた。そのお客様たちは、いつも私の右側のその席に座っていらした。

でも、これこそ、このときのためにこそ、私は訓練されてきたのね。ゲイルは長年の苦しい年月を耐え、そこから身を起こし、上院議員や裁判官を自宅での晩餐でもてなすまでの地位に昇ってきた。それもこれも、今このときのためだったのだわ。自分と向かい合う客がハワード・ロークである夜にたどり着く目的のためだったのだわ、ゲイルの今までの苦労は。

ワイナンドは、新聞業界について話している。ロークとそのことについて議論することが嫌(いや)なそぶりは全くない。

ドミニクは、口をさしはさむことが必要だと思われた場合にのみ発言した。ドミニクの声には明晰な簡潔さがあった。ドミニクは抵抗することもなく、その場の状況に自然に流れるように運ばれている。個人的な反応など余分なことだ。ドミニク個人の言葉や行為など、ドミニクにとって痛みであり恐怖でさえある。

ドミニクは思う。もし、この会話の流れの中で、ワイナンドが次にこう言ったとしたら、どうなるかしら。「君はロークと寝たことがあるね」と言ったら。そうしたら私はきっとこう答えるでしょう、「そうよ、ゲイル、もちろんよ」と、ごく簡単に。

しかし、ワイナンドはほとんどドミニクに目もくれない。ワイナンドが自分に目をやるとき、自分の顔に何も異常は表れていないとドミニクにはわかる。ワイナンドの顔つきでわかる。

 

食後、三人は客間で寛(くつろ)いだ。ロークがマンハッタンの街の灯りを背景に窓辺に立っているのが、ドミニクには見える。彼女は思う。ゲイルは彼自身の勝利の印として、このペントハウスを建てた。目前にマンハッタンを一望するために。彼が、ついには様々な分野を支配することになったこのマンハッタンを一望するために。

しかし、このペントハウスが建てられた真の目的は、これだったのだ。あの窓辺にロークを立たせること、これだったのだ。今夜、ゲイルはそれがわかったのだわ。ドミニクはそう思う。

マンハッタンの眺望数マイル分が、窓辺に立っているロークの身体のために見えなくなっている。数点の火と、灯かりのともった数個の四角形のガラスだけが、ロークの身体の輪郭の周りに見えるだけだ。

今、ロークはタバコを吸っている。ロークが口にくわえているタバコが黒い夜空を背景にゆっくりと動き、それから、そのタバコがおもむろに指の間にはさまれる。ドミニクは、その動きをじっと見つめる。

ドミニクは思う。ロークの身体の周囲に見えるマンハッタンの夜景にある数点の火は、彼が口にくわえ持っているタバコの先端の火でしかないと。彼の背後に広がる空間に輝く点でしかないと。

ドミニクは静かに言う。

「ゲイルは、夜になるとマンハッタンの夜景を眺めるのがいつも好きでしたのよ。高層ビルが好きでしたの、ゲイルは」

そのとき、ドミニクは自分が過去形を使用したことに気がつく。なぜなのだろうと彼女は思う。

 

ワイナンドと自分のための新居について三人で話したとき、ドミニクには、自分が何を言ったのか思い出せない。ワイナンドが書斎から設計図を持ってきて、客間のテーブルの上に広げる。三人は、いっしょに身を屈め、その図面に見入る。ロークの鉛筆が移動する。鉛筆は、白い図面の上に描かれた薄い黒い線でできあがった硬い幾何学的な模様を指し示しながら移動する。

ドミニクは、図面を説明するロークの声を聴く。ごく身近にその声を聴く。三人は、夕食前に語り合ったような美と肯定に関する話はしない。今は、クローゼットや階段や食料貯蔵室や浴室に関する話をしている。ロークはドミニクに、この図面の配置で便利かどうか質問する。ドミニクがすでにこの図面に描かれる邸宅に住んでいると思い込んでいるかのように、三人は話を進めている。ドミニクは、それが不思議だと思う。

 

ロークが帰ったあと、ワイナンドが自分にこう訊ねるのをドミニクは聞く。

「あいつのこと、どう思う?」

ドミニクは、怒りのような何か、危険な何かを感じる。自分の内部で突然何かがねじれたような感覚だ。だから、なかば恐れながら、なかば故意に招くような気持で、こう言う。

「あの方は・・・私はドワイト・カーソンを思い出しますが」

「ああ、ドワイト・カーソンのことは忘れろよ」

ワイナンドの声は、ドミニクの発言に真面目に取り合うことを拒否している。ワイナンドの声には、あの清廉潔白なドワイト・カーソンを自分が堕落させたことに関する罪悪感を拒否する響きがこめられている。それは、「ストッダード殿堂のことは忘れてください」と言ったあのロークの声のように、有無を言わさぬ響きである。

 

 

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